エアポリッシングとは?
上野歯科のメインテナンスの中には細かなパウダーで歯のクリーニングを行うエアポリッシングという方法があります。痛みや不快感が少なく、歯や被せ物に優しいメインテナンス方法です。従来よりも短時間でツルツル感が得られます。
どのようなクリーニング方法なのかをみなさんにまとめてお知らせいたします。
What's エアポリッシング?
『歯周病学用語集 第3版』によると、エアアブレージョン(air abrasion) とは、「酸化アルミニウム、重炭酸ナトリウム、B-TCPなどの微粒子を圧縮空気を利用して歯面に強力に吹き付ける治療法のことをいい、歯面清掃、歯石の除去、初期のうの除去に用いる」方法のこととされています。このなかで、プラーク除去、歯面研磨を行うことを、英語では特にエアポリッシング(air polishing)と呼びます。
もっと簡単に言うと、「歯の表面に細かいパウダーを空気と水で吹きつけて、やさしく汚れを落とすクリーニング方法」です。
エアポリッシングは、専用のパウダーを水と空気圧を使って、歯の表面に器機が触れることなく、汚れを吹き飛ばして落とすクリーニング方法です。パウダーの粒子は細かいため、ステイン(茶渋やタバコの汚れ)やバイオフィルム(細菌の塊)を効率よく除去します。従来の回転ブラシやゴムカップを使った清掃では届きにくい場所(歯間部、小窩裂溝、露出した根面など)や補綴装置までケアできるため、より精密なクリーニングが可能です。
現在エアポリッシングに使用するパウダーには、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、グリシン、エリスリトールの4種類があります。
炭酸カルシウム
ステイン除去に優れるがダメージに注意!
縁上のステイン、バイオフィルの除去に使用できますが、根面や補綴装置には使用できません。
粒子の大きさ:54 ~ 70 μm
ステイン除去に非常に優れていますが、重炭酸ナトリウムやグリシンよりも、エナメル質に対してより損傷が見られたとの報告があります。そのため、歯肉縁上のみへの限局的な使用にとどめ、同じ部位への長時間の使用は避けるべきと考えられます。
重炭酸ナトリウム
いわゆる重曹。ステイン除去に優位
炭酸水素ナトリウム、重曹とも呼ばれる重炭酸ナトリウムは、縁上のステイン、バイオフィルム除去に使用できます。高血圧、塩分を控えている方には使用できないため、注意が必要です。
粒子の大きさ:40〜70μm
ステイン除去能力に非常に優れていますが、象牙質、セメント質、および補綴装置への損傷があることが知られています。
露出根面に対しては、5秒間の重炭酸ナトリウムの噴射でも、根面の損傷が認められるとの報告があります。。 そのため、重炭酸ナトリウムは、エナメル質上に付着したステイン、バイオフィルムを除去するのみに留めておいたほうがよいと考えられます。
グリシン
パウダー界の老舗かつオールラウンダー
最初に登場したパウダーで、エビデンスがもっとも豊富です。水溶性のアミノ酸であるグリシンは、ステインの除去、および4mmまでのポケットに届く、オールラウンダーなパウダーです。また、歯肉緑下用のノズルを使用した場合には、5mm以上の深いポケットにも届けることができます。製品によって粒子の大きさにかなりの幅があり、粒子の大きいものはステイン除去用、小さいものは歯肉縁下に使用できます。
粒子の大きさ:18〜65μm
グリシンは、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムと比較して、修復物への損傷が少ないうえに、根面においても、表面の損傷、プラーク除去の点で優れた臨床結果が得られたことが示されています。また、軟組織の損傷に関しても、キュレットや重炭酸ナトリウムよりもグリシンのほうが影響は少ないです。
エリスリトール (上野歯科で使用してます)
代替甘味料の一種。最小サイズで縁下にも使用可
糖アルコールの一種であるエリスリトールは、体内に入っても吸収されず、そのまま排出される安全な代替甘味料です。また、う蝕の原因になることもなく、歯肉縁下用チップで使用すれば、歯肉縁下のバイオフィルムを除去できます。粒子サイズももっとも小さく、根面、補綴装置の損傷は最低限に抑えられます。また、国内の流通製品は0.05%塩化セチルピリニジウム(CPC)が含有されています。単なるエアポリッシングの効果だけでなく、殺菌効果も期待できるかもしれません
粒子の大きさ:14μm
エリスリトールは、グリシンと同様に、エナメル質の損傷を抑えられますが、根面に対しての影響、およびグリシンとの違いについては、まだデータ不足です。グリシンと比較した際に、根面の損傷による臨床的な差はないと考え、現状はグリシンと同様に使用してよいでしょう。
従来法との違い
組織へのダメージの度合い
従来のPMTCでは主に回転ブラシやゴムカップを使って、歯に器具を直接接触させて表面を削ることで汚れを落としていました、エナメル質の微細表面に損傷が見られますが、エアポリッシングでは歯面への損傷を最低限にすることができます。
根面、修復物、補綴装置、インプラントの場合は、エナメル質よりも軟らかいため、従来の方法ではより表面の損傷リスクがあります。 このため、エアポリッシングを使用することが推奨されます。多数の修復物が存在する口腔内へエアポリッシングを使用する際には、パウダーの種類や使用する機器によっても損傷度は異なることが報告されています。
特に、低摩耗性のパウダー(グリシンやエリスリトール)を使用することで、表面の損傷は非常に少なくなります。歯面の損傷を最小限に抑えつつ歯を削ることなく、歯の表面に付着したステインや歯と歯の間、歯ぐきの近くにあるバイオフィルムを効率よくしっかり除去することができます。
さらにエアポリッシングの施術後はペリクル(歯の表面の薄いタンパク質の膜)も除去できていますのでフッ化物塗布によるう蝕予防効果を最大限にきたいすることもできます。
どのような方におすすめ?
- 虫歯や歯周病を予防していつまでも健康なお口でいたい方
- インプラントや被せ物が入っている方
- 矯正治療中で矯正装置が入っている方
- ホワイトニングの効果を持続させたい方
- 着色しやすい生活習慣、飲食習慣がある方
- 大切なイベンドを控えている方
注意点!!
①歯石除去には不向き
エアポリッシングは主にバイオフィルム(歯垢)やステイン除去が目的ですので、歯石が多く付着している場合はスケーラーなどの専門器具で除去する必要があります。
②知覚過敏がある方は注意
空気圧と水と粒子が刺激になる場合があり、知覚過敏の症状があると痛みを感じやすいことがあります。使用するパウダーや圧力を調整することで軽減できる場合もあります。
③呼吸器系の疾患がある方は要相談
パウダーが微細で空気中に飛散するため、喘息や慢性気管支炎など呼吸器に疾患がある方は注意が必要です、使用前に歯科医師と相談しましょう。
④ナトリウムパウダーの使用に制限がある人も
一部のパウダーにはナトリウム(塩分)が含まれています、高血圧やナトリウム制限がある方には、ナトリウムフリーの「グリシンパウダー」などが適しています。
まとめ
細かなパウダーで歯のクリーニングを行うエアポリッシングは、痛みや不快感が少なく、歯や被せものにやさしい新しいメンテナンス方法です。上野歯科でもっと気持ち良いメインテナンスを始めてみませんか?
