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オーラルスキャナーTRIOS5

[2024.11.05]
歯科医師 亀澤亜季

2024年9月27日、当院にオーラルスキャナー「トリオス5」が設置されました。

約半年間、オーラルスキャナー(口腔内スキャナー)の導入について議論を行い、さらに他のオーラルスキャナーとの比較検討を行い、やはりデジタル化が進んでいるこれからの臨床上欠かせないものだという結論が出た結果、今回のTRIOS5の導入に至りました。

そんなデジタルスキャナーについてより学ぶため、馬場一美先生のセミナー『デジタル印象パーフェクトガイド』を受講し、今回導入に当たり教えていただいた内容と合わせてまとめてみました。

 

デジタルスキャナーとは?

お口の中を小型カメラで撮影し、そのアナログデータを標本化、量子化して取り込むための機械です。

歯科で使われるデータは、STLデータ(standard triangulated language)と呼ばれる、三角形を積み重ねたデータで記録されます。

 

デジタルスキャナーの特徴

①かたどりがとても楽

お口のかたどりは、歯科で嫌いな治療ランキング第二位(第一位は麻酔)であるという統計結果があります。

そんなかたどりを、きわめて楽に行うことができるのが、この機械の大きな利点です。

被せものや詰め物を作るのに、くちのなかの型をアルジネート(ねんどのようなもの)で取る必要がないため、治療中に気分が悪くなったり、お口の周りが汚れたりするのを防ぐことができます。

②出来上がる被せものや、詰め物の精度が良い

どんなに精密な治療を行っても、通常のかたどりや作成の仕方だと材料が膨張したり収縮したりすることで、出来上がる補綴物には、多少の誤差が生じます。

デジタルスキャニングにより、かたどり、模型作成、被せものの鋳造などを行う必要がなくなることで、誤差のない被せものの作成が可能になります。

③被せものが欠けたり壊れたりしたとき同じものをすぐに作成可能
データをずっと保存しておけるので、被せものや詰め物が欠けたり壊れたりしたとき、来院しなくても同じものを作成することができます。
 
④すべての症例に適応できるわけではなく、型取りが必要なケースも
オーラルスキャナーはカメラなので、陰になっているところはうまく読み取ることができません。
そのため、歯茎の下の深い部分までかぶせものでおおわなければいけないような場合や、虫歯が深いような場合は、うまく画像が読み取れず、かたどりをしなければいけないケースもあります。
 
⑤形成、印象の即時評価が可能

かたどりした結果がその場ですぐに確認できるため、もう少し削った方がいいところや、かたどりが不十分なところがあった場合、すぐに確認でき、後日来院して再度形を整えたりかたどりをしたりする手間がなくなります。

 

TRIOS5とは

デンマークのコペンハーゲンに本社を持つ3shape社が製造、販売している最新の口腔内スキャナーです。
3shape社では2005年から被せものや詰め物を削り出すための機械や作成に必要なソフトウェアを開発しており、約20年歯科に携わった実績があります。
 

当院がTrios5を選んだ理由

①カメラの性能がいい
ほかのオーラルスキャナーに比べてカメラが小さくコードレスで軽い(299g)ので、操作性に優れています。
またカメラのヘッドも小さく、撮影速度が速いので、長時間お口を開けていられない方でもしっかりとした撮影が可能です。
カメラは毎秒2400枚の画像撮影を行うので、、精度の高い補綴物の作成が可能なところも魅力的です。
 
②清潔
カメラの先端を守るための保護用のスキャナチップは一回一回滅菌可能なので、感染対策もばっちり。
 
③技工所との連携がとりやすい
実際に被せものや詰め物を作成する技工所の機械は、TRIOS5を作成している3shape社製がシェア№1
そのため、機械同士の相性がよく、より再現性の高い被せものや詰め物の作成が可能です。
 
④矯正やホワイトニングをした時の口元のシュミレーションが可能
矯正治療や被せものの治療後の口元のシュミレーションを即座にお席で確認可能
お顔の写真と口元のデータを重ね合わせて、実際にどんな口元になるのかをお見せすることもできます。
 
⑤お口の中の変化の比較ができる
虫歯やお口の中のちょっとした変化を簡単に記録し、比較することができるので、治療が必要なところを見逃しません。
 
⑥むし歯を検知する機能がついている
お口の中をカメラで読み取るだけで、虫歯の可能性のある歯の検知が可能です。
レントゲンと違い、被爆がないので体に優しく非常に手軽です。
 

デジタルスキャナーの導入により、日常臨床をより効率的に、患者さんに寄り添った快適な診療を目指していきたいと思います。

歯科医師 亀澤亜季

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