オーラルスキャナーTRIOS5
歯科医師 亀澤亜季
2024年9月27日、当院にオーラルスキャナー「トリオス5」が設置されました。
約半年間、オーラルスキャナー(口腔内スキャナー)の導入について議論を行い、さらに他のオーラルスキャナーとの比較検討を行い、やはりデジタル化が進んでいるこれからの臨床上欠かせないものだという結論が出た結果、今回のTRIOS5の導入に至りました。
そんなデジタルスキャナーについてより学ぶため、馬場一美先生のセミナー『デジタル印象パーフェクトガイド』を受講し、今回導入に当たり教えていただいた内容と合わせてまとめてみました。
デジタルスキャナーとは?
お口の中を小型カメラで撮影し、そのアナログデータを標本化、量子化して取り込むための機械です。
歯科で使われるデータは、STLデータ(standard triangulated language)と呼ばれる、三角形を積み重ねたデータで記録されます。
デジタルスキャナーの特徴
①かたどりがとても楽
お口のかたどりは、歯科で嫌いな治療ランキング第二位(第一位は麻酔)であるという統計結果があります。
そんなかたどりを、きわめて楽に行うことができるのが、この機械の大きな利点です。
被せものや詰め物を作るのに、くちのなかの型をアルジネート(ねんどのようなもの)で取る必要がないため、治療中に気分が悪くなったり、お口の周りが汚れたりするのを防ぐことができます。
②出来上がる被せものや、詰め物の精度が良い
どんなに精密な治療を行っても、通常のかたどりや作成の仕方だと材料が膨張したり収縮したりすることで、出来上がる補綴物には、多少の誤差が生じます。
デジタルスキャニングにより、かたどり、模型作成、被せものの鋳造などを行う必要がなくなることで、誤差のない被せものの作成が可能になります。
③被せものが欠けたり壊れたりしたとき同じものをすぐに作成可能
④すべての症例に適応できるわけではなく、型取りが必要なケースも
⑤形成、印象の即時評価が可能
かたどりした結果がその場ですぐに確認できるため、もう少し削った方がいいところや、かたどりが不十分なところがあった場合、すぐに確認でき、後日来院して再度形を整えたりかたどりをしたりする手間がなくなります。
TRIOS5とは
当院がTrios5を選んだ理由
①カメラの性能がいい
②清潔
③技工所との連携がとりやすい
④矯正やホワイトニングをした時の口元のシュミレーションが可能
⑤お口の中の変化の比較ができる
⑥むし歯を検知する機能がついている
デジタルスキャナーの導入により、日常臨床をより効率的に、患者さんに寄り添った快適な診療を目指していきたいと思います。
歯科医師 亀澤亜季